装幀家 鈴木成一さん
今週が晴れで始まってから、もう水曜日です。ここ数日、時の過ぎるのが早い、早すぎる感じがします。そんな時間の伸縮を感じながら、今日もブログを書いています。当たり前すぎる毎日なんて、一日たりともない、と思いながら。
今日は5/22「古書の森日記 by Hisako」の「装幀家・鈴木成一さん」を読みながら、昨日見たNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」を思い出しています。
このブログで、Hisakoさんの初めての本『音のない記憶』(文藝春秋)の装幀がこの鈴木さんであったとは知りました。Hisakoさんは本の出来上がりを見たときの感動を語り、いい想い出であったと書いています。なんともいろいろなめぐり合わせがあるものです。
この番組は茂木健一郎さんとNHKのアナウンサー住吉美紀さんが司会を勤め、毎回その道のプロを取り上げています。世の中、どんな仕事でも、頑固に自分のスタイルを守るプロがいます。
今回の鈴木さんは多作な装幀家としてつとに知られています。どれがいいというよりも、自分の納得のいくことにこだわり、卓越した情熱をもっていることを画面から感じました。そうした強い意志があるからこそ、いい装幀が生まれる。そんな気がします。
装幀の仕事はまさに他のプロの仕事と同様に、一期一会を大切にし、頑固一徹の仕事です。さらに装幀は人にその本を「気づかせる力」も必要です。これのあるなしで、仕事の質が決まると言ってもいいでしょう。
装幀という仕事を自分が納得するまできちんとやり遂げる。これこそが鈴木さんの「プロの流儀」です。この点には感心しました。私の目には一人でいるときの鈴木さんの後姿がはっきりと残っています。一人のクリエーターとしてでなく、一人の人間としての。