何かするゆとりを

今日は往来座外市に行く予定が行けませんでした。打ち合わせが終わったのが6時を過ぎていましたので、今から行っても7時まで着くかどうか? でしたので、断念。山田稔さんの『特別な一日』(平凡社ライブラリー)を読みながら、家路へ。

帰路、この本はあわただしい電車の中でなく、ゆっくりと一人の場所で読みたい本だと思いました。読むペースは筆者の書くペースと読者の読むペースによってつくられますが、この本は筆者のペースに任せて、読みたいエッセイです。

そのまま自宅に戻り、集中力を欠く中で、読了しました。今週もかなり消耗した一週間でしたので、本を手に取る機会も少なく、どちらかというと、雑誌を手に取る一週間でした。

やはり、本を読むということは各自の疲労度の限界点を超えてしまうと、活字の上をなぞっているだけで、本の内容を読むまでには至らないことがわかりました。人にはある程度の何かするゆとりが必要なのです。

山田稔さんの『特別な一日』の解説(荒川洋治)より

 山田稔氏のエッセイ集『特別な一日』は一九八六に刊行されたものである。この平凡社ライブラリー版には、「ヘンリ・ライクロフト」一編が加えられ、一ニ編になった。一ニ編の語りは淡々としたものだし、それほど「特別な」素材を扱うわけではないが、読みすすむほどに味わいが深まる、見事な文章である。