傷だらけの図書館の本

図書館にはあまりにもすごい現状がありました。この読売新聞の12/12「本よみうり堂」の記事を読んで、唖然としました。本好きにとっては、驚きを通り越して、なんともいえぬ憤りを感じました。

各地の公立図書館で、雑誌などから写真や記事を切り取ったり、専門書に蛍光ペンで線を引いたりするなど、図書を傷つける行為が増加している。中には、閲覧室で堂々と雑誌を切り取り、職員から注意されると「どうしていけないの」と反論する人もいる。

何かがおかしいとしか言えません。切り抜き、線引き、当たり前。切り抜きをして、「どうしていけないの」ですから、何をか言わんや、それに対して言葉もありません。

こういう行為をモラルの低下、公共性の欠如などといいますが、それ以前に、その雑誌が自分のものなのか、そうでないのかぐらいはわかるはずです。自分のものであれば問題ないのですが、そうでないのなら、勝手なことはできないはずです。

それが普通。*1

『他人を見下す若者たち』の著者の速水敏彦・名古屋大大学院教授はコメントで「自己中心的で他人を軽視する行動をとる傾向が強くなっている」と言っています。

この自己中心的。*2

私の雑誌でなく、私たちの雑誌であるということをどう理解するか。私の、円的思考でなく、私たちの、楕円的思考のために、一体何が必要なのでしょう。

*1:この普通が揺らいでいます。何が普通なのか。私たちの普通はなく、あるのは私の普通ばかりか。

*2:この極小の私が肥大化していく中で、私たちと交通する通路がどこにあるのか。極大化した果てには破裂しかない。