12月3日(日)の書評より

先に12月3日(日)朝日新聞の書評を取り上げましたが、その他の新聞書評のなかから、次の本を取り上げます。

[毎日新聞]
思想とはなにか
吉本隆明/著 笠原芳光/著
春秋社
税込価格 1,890円
内容
戦後日本を代表する知識人・吉本隆明による「思想」の作法。

まだまだ頑張っている吉本隆明さんの対談集で、出版社の内容紹介は「戦後最大の思想家が「思想とはなにか」という究極的な問いに真正面から答える。あらゆる問題を貫く原理に肉迫する対話集。」

本よみうり堂では、「今も刺激的中上健次 未刊行講演録出版へ」という記事を掲載し、次にようにいっています。

作家の中上健次(1946〜92年)は、生きていれば今年“還暦”を迎えたことになる。しかしその影響力は、むしろ、増しつつあるのではないか。

その記事の最後に、柄谷行人さんのことばが掲載されています。曰く、中上健次さんは「暴風雨のような存在であった」。まさに至言です。中上健次さんの本を整理し、少し集めてみたい気持ちになりました。

書棚にある中上健次さんの本を一冊引き出しました。一番目立つ本、『鳳仙花』(作品社)です。函つきで、その函でデザインが素晴らしい。装幀者は菊池信義さんで、使用した絵は伊藤若冲筆「花丸図」より(金刀比羅宮蔵)*1でした。

*1:菊池さんは1980年伊藤若冲に注目していたということか。