きだみのる『人生逃亡者の記録』より

読者よ。長生きしよう。これは自由な思想者にとって特に望ましい。長生きすれば人生の見聞はそれだけ広まるし、新地獄・極楽を説く思想販売人の文句の嘘や間違いも時がわかれせてくれるであろううから。
もう一度繰り返そう。長生きすることだ。
そうすれば、新地獄・極楽の布教者たちのそのときどきの所論の適否、正誤がわかるだろう。
そして現役の人間としてくたばることだ。
そうしたら子供の世話になるという屈辱的な考えを起こさずにすむ。
子供は子供。
親は親だよ。
そうだろう。