荘司雅彦『説得の戦略 交渉心理学入門』

荘司雅彦『説得の戦略 交渉心理学入門』(ディスカヴァー携書)の紹介を読んで思ったこと。この内容は「交渉において「言葉」と並んで重要な5つの手段」は次の通りです。

1. 相手にとって好ましい環境をつくる
2.話の内容より、見かけと身振りを周到に準備する
3.話し上手より聞き上手。相手が勝手に説得されるのを待つ
4.色の効果を活用する
5.パーソナルスペースを活用する

さらにこの5で、アメリカの文化人類学者であるエドワード・ホールは、相手との関係と距離感を次のように分類しているそうです。

1 密接距離
  0〜45センチ 容易に相手の身体に触れることができる距離
2 個体距離
  45〜120センチ 2人がともに手を伸ばせば相手に届く距離
3 社会距離
  120〜350センチ 身体に触れることができない距離
4 公衆距離
  350センチ〜 講演会や公式の対面のときにとられる距離

人間関係とはこの距離感を最適なものにするための活動です。常に関係の試行錯誤を通して、人と人との距離を計測し、快適な距離を保つことになります。

しかし、その距離が不定で、変動していますので、人と人との関係はさらに複雑で難解になり、一層錯綜することになります。だから関係づくりはむずかしい。

最近の各界の言動を見ても、あまりにも見てられない、聞いてられない、やってられない人がが多すぎます。改めて恥の文化の復活が必要なのかもしれません。