川本三郎『物語の向こうに時代が見える』(春秋社)

今日は本当に寒い一日でした。この寒波のなか、借りていた本を返しに、図書館に行きました。本を返したあと、書棚を見て廻ると、先日ブログで取り上げた川本三郎さんの『物語の向こうに時代が見える』(春秋社)を見つけました。

早速手に取り、「まえがき」を読むと、こう書いてありました。この箇所を読んで、週末はこの一冊を読もうと思いました。

(前略)作家は、それぞれの時代のなかで、出来合いの言葉に頼ることなく、懸命に生き抜こうとする人間たちを描き続けてきた。
 一読者として、彼らに出会いたい。表現の枝を刈り込んでゆくと、最後に、まっすぐに生きようとする堅い幹が見えてくる。その幹にこそ触れたい。p1

誰しも小説のみならず、文芸全般の本を読む際には、この「幹」を見たい、そしてに触れたいと思います。それが感動の原初です。そこから生きてゆく力を与えられるのです。

さてそれぞれの作家が描く物語の向こうにどんな時代がみえるのでしょう。まずは「徴兵忌避者のオデッセイ − 丸谷才一『笹まくら』」から。