いい本と出会うために

不忍ブックストリート一箱古本市」が終了しました。当日は人との本のさまざまな出会いがあったことでしょう。

私も一箱の本のなかから、栃折久美子さんの本を買いました。その時、何が起こったのでしょう。即、手にとって買いてしまいました。偶然が必然になった瞬間。これが幸せな本との出会いの一歩です。

こんな本との出会いがあればいいのですが、これがまたそう簡単ではありません。先ず手に取ること 。そして本を選んで買うまで、一瞬であったり、長い道程であったりします。

始めの一冊で出会う人もいれば、まったく出会わない人もいます。これが出会いの不思議さです。いい本との出会いが多ければ多いほど本が好きになり、本との関係が深くなります。

日経新聞の5月3日の読書欄「半歩遅れの読書術」で、道浦母都子さんが次のように書いています。

<『茨木のり子詩集』との出会いは、私にとって、言葉の森に分け入る、かけがいのない、きっかけとなった出来事だった>。

誰しもこういう本との出会いがあるものです。人によって、これが出来事ではなく、事件という人もいるでしょう。こうした本との出会いを楽しみに、これからも本を読み続けたいと思います。

茨木のり子詩集 (岩波文庫)         倚りかからず (ちくま文庫)