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▶今日、松山巌須賀敦子の方へ』 (新潮社)を読了しました。この本は須賀さんがフランスに旅立つところまでの話が書かれています。まだ物語が続きますので、未完の評伝ということになります。

また、この本は須賀さんとの「今一度対話を楽しむ旅行記」であり、歩いて書いた評伝なのです。著者は「あとがき」で次のように書いています。

<もとより須賀さんの生涯を辿るとき、彼女に縁のある場所をできる限り歩き、彼女を知る人たちにも可能な限り会いたいと願い、彼女の作品や彼女の愛した文学のなかで思考をめぐらすばかりでなく、ともかくも歩くことを心がけた>。

そして、松山さんは自らを叱咤激励し、須賀さんが博士論文で分析したジョゼッペ・ウンガレッティの詩を記しています。
すぐ また
旅に出る
難破に
生きのこった
老水夫
のように(「難破の愉しさ」)
松山さんの「須賀敦子論」の完結を期待して待ちたいと思います。

須賀敦子の方へ         須賀敦子ふたたび (KAWADE夢ムック 文藝別冊)


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