篠山紀信さんの「思い出の本 忘れない本」
今日の朝日新聞の読書欄で、篠山紀信さんが「思い出の本 忘れない本」について書いていました。取り上げていた本は沢渡朔さんの『森の人形館・nadia』(毎日新聞社)です。
篠山さんが沢渡さんとの出会いについて、自分と沢渡さんとの相違について、社会に出ての履歴について書いています。そこで出会うのが沢渡さんの本、『森の人形館・nadia』でした。
それを見て、びっくりし、素晴らしいと思い、かなわないなと思ったそうです。そこで篠山さんは「一種野可能性と限界」を感じ、沢渡さんとは違った、独自の篠山ワールドを築くことになるのです。
篠山さんはさらに沢渡さんの写真集で『蜜の味』と『昭和』の2冊を挙げ、合わせてこの3冊が女性を撮るときのバイブルだと言っています。
人が成長するためにはいい仲間が、ライバルが、それから先生がいるのものです。篠山さんにとって、その3役を担ってくれたのが沢渡朔さんでした。
さらに、掲載しておきたかったのは篠山さんが書いている「60年代のアート・パワ−がみなぎる時代」のことです。その時代がどんな時代であったか。その部分をそのまま引用します。
<当時、モダンジャズが入ってきて、ヌーベルバーグの映画とともに、アートに新しい流れになった。人形作家の四谷シモンや画家の金子國義、みんな無名でね。どこかで一緒になり、行動する。バーで寺山修司や唐十郎がけんかをしていたり、三島由紀夫と渋澤龍彦が文学を語り合ったり>
・・・・・ そんな時代がありました。