ダイソンの定理 破壊+発想(実験+冒険)=ものづくり

昨年「WIRED」での特集「ダイソンの定理 破壊+発想(実験+冒険)=ものづくり」から、ダイソンの定理を抜粋しておきます。ものづくりにおいて、独自の商品開発をし、その技術革新において、!を創造しています。

そのものづくりの定理は以下の通りです。

「わたしはデザイナーであり、エンジニアだ」。ジェームズ・ダイソンの信念は、微動だにしない。家電業界の常識はおろか、すべてのユーザーの固定観念を根底から覆し続けてきた男の思考の法則、ビジネスの定理。

1. 消費者を見極めよ
SEA TRUCK
「この『シートラック』は組み立て式になっていますので、フェリーにもダイヴィングボートにもなります。けれどもダイヴァーは、モジュラーなものではなくダイヴィングボートを欲しがるのです。モジュール式を喜ぶのは製造業者であって、消費者でないのです」

2. 売り方を発明せよ
BALLBARROW
「この商品はホームセンターなどでさんざん冷笑を浴びました。ばかばかしく見えたのでしょうが、メールオーダーではよく売れました。ここでひとついい教訓を得ました。その人たちにちゃんと届きさえすれば、ほかと違うものを喜ぶ客は必ずいるということです」

3. 外に出ろ
DUAL CYCLONE
「コンピューターや黒板の前にいてもインスピレーションは湧いてきません。近くの工場に行っていかにものがつくられているかを見、人の家を訪ね、みんなが何をしているか、何を嫌っているかを学ぶのです。人と語り合うことです」

4. 発想は柔軟に
CONTRAROTATOR
「手洗いの感覚を機械で実現できないかと考え、ドラムを2つ装備しました。2つのドラムが異なった速さで回るわけです。そして『それぞれを逆向きに回したらどうだ』となりまして、結果、望むようなものがつくれたのです」

5. プロトタイプをつくれ
AIRBLADE
「ややこしいプロトタイプをつくる必要はなく、荒削りなものでいいのです。なによりも大事なのはそれをつくることです。そしてテストすること。つまり自分でつくって、それを観察することなのです」

6. いいアイデアはほかでも使え
AIR MULTIPLIER
「発見した何かを、想定と異なるほかのことに使えたら、それは素晴らしいことです。エアブレードの開発時に、空気の噴出によって、周りの空気がたくさん吸引できることに気づきました。そこからこの商品は生まれ出たのです」