いまも読み継がれる『方丈記』

本よみうり堂>ニュースで、「方丈記、800年後の今も斬新に」という記事を読みました。鎌倉時代鴨長明が随筆『方丈記』を書いてから800年を迎えたそうです。

この本は「夏目漱石南方熊楠が英訳を行い、作家の堀田善衞は、1945年3月10日の東京大空襲の後に読みふけり、『方丈記私記』(ちくま文庫)を残すなど後世の文学者の心をとらえてきた『方丈記』は、意外と短く、全文で約8600字、原稿用紙22枚程度だ」。

そして京都産業大小林一彦教授は、「鴨長明にはジャーナリスト的視点がある。まるで新聞社のデスクがカメラを持って現場に出たような、見たことを現在進行形の文体で書く筆力と論評力がある」と言います。

私は作家の堀田善衞『方丈記私記』が印象に残っています。当時、堀田さんの著作を読んだのはあの『ゴヤ』(朝日ジャーナル掲載時)とこの『方丈記私記』でした。再読の1冊として記しておきます。

<ゆく河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず>。

方丈記 (ちくま学芸文庫)         方丈記私記 (ちくま文庫)