コンシェルジュ間室道子さんの棚づくり

東京・代官山に「代官山蔦屋書店*1 が 昨年12月にオープンしました。この書店は50代以上をターゲットにした「大人のTSUTAYA」をコンセプトにしています。*2

そのターゲットに合った本選びが大変です。そこでCCCは本の達人たちを募集し、コンシェルジェとして採用。その人たちに棚づくりを任せました。間室さんもその一人で、かつてはABCで名物書店員として知られていた方です。

代官山蔦屋書店にはコミックは置いてない。どのコーナーも50歳以上の「プレミアエージ」を意識した品ぞろえだが、それが結果的に幅広い年齢層に受け入れられたという。( この書店にはコミックとラノベは置いてありません。)

電子書籍になくてリアル書店にあるのは、「本を並べる」行為だ。この本の隣になぜあの本を並べるのか、そこに「物語を持たせる」ことこそがコンシェルジュの仕事であると、間室さんは言い切る。

「本はコミュニケーションツールでもあるんです。コンシェルジュの数だけ棚がある。ベストセラーでなくても、『こんなにおもしろい本もあるんです』と伝えたい」

ここが一番大事なところです。棚づくりに物語を、棚づくりに面白い本を。どんな物語を考えて、本を選び、それを並べるか。さらに、自分の面白い本を伝えることが出来るか。これが難問、だからこそ。

古本ナイアガラ」では毎月テーマを決め手やろうと思ったのですが、そう簡単ではありません。今月のテーマは「編集者の本」(編集者の本音)です。どうも結果が芳しくない。寒さのせい?そうであったほしいのですが。

棚のストーリーが強いか弱いのか、本が面白いか面白くないのか。理想は棚のストーリーに合った面白い本が並べばいい!

間宮さんの言うように、この両面から考えて、棚づくりをしていかねばなりません。では、間宮さんはどんな棚づくりをしているのでしょうか。近々棚を見に行きたいと思います。

その他に参考になるのが、『松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦』(中央公論新社)とクラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』(朝日新聞出版)でしょうか。この2冊は昨年の◎本です。

間室さんは、開店の7時から昼下がりまで店に出る。4時に起床し、本を「読み、書き、売る」毎日だ。

凄まじい一日。まだまだ甘いな! と自戒。

松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦          おかしな本棚



*1:詳細は「代官山T-SITE」の情報はこちらから。

*2:そういえば、BOOK-OFFも「大人のブックオフ」という広告?をTVCMしています。