東京・西荻の盛林堂書房とは

11/18以降、「12/10(土)東京・西荻に「古本ナイアガラ」が誕生」という告知をしています。この「古本ナイアガラ」・・・ 一箱系古本店主による常設棚を設置し古本販売する ・・・ を開催する古本屋さんが東京の西荻にある盛林堂書房さんです。

たまたま読んでいた嵐山光三郎『古本買い十八番勝負』(集英社新書)で、この盛林堂書房さんが次のような紹介されていました。

 西荻窪南口で一番感動したのが駅の近くにある盛林堂書房である。昭和二十六年に開店した老舗で、八十歳をこえた店主に風格がある。※チエちゃんは「二十年後の嵐山さんというかんじ」と言う。本がよく整理されて、隅にある本のタイトルも読める。文学、美術、山岳物が充実し、きちんと分類されているところに、主人の並々ならぬ力技が感じられた。
 倉庫置場のようなに古本がつまれて雪崩状になっている店は、ひたすら買い集めただけで、ほこりっぽく、持病のぜんそくが悪化する。古本の品揃えに主人の確固たる方針がある店は、入って気分がよろしい。表紙が傷んだ本には、手製のクラフト紙のカバーをつけ、主人の達筆なる文字のタイトルが書かれている。カバー上下に黒ライン日本を手描きしているところも青山二郎的しぶさがある。 p200-201

今回の企画に賛同し、実施することになったのは、この店の二代目です。こうした生粋の父を持ち、古本屋さんのDNAを引き継ぎ、いまそのお店を取り仕切っています。小野さんの協力がなければ、今回の企画も成立しませんでした。この点、深謝しています。

店内に入ると、先代の確固たる方針はもとより、よく整理されている棚、しっかりした品揃えなどに、本への深い思い入れを感じることができます。そうした正統派の古本屋さんに常設棚を借りることができる。これは何と言っても喜ばしいことです。

いま12/10(土)に向けて、準備を始めていますが、嬉しい反面、少々怖さもあります。いい古本屋さんであればあるほど、一般の方から目利きの方まで来店されます。その人たちの眼力です。ご承知の通り、棚をみるだけでその人がわかると言われます。

そうであればなおさら、独自の品揃え、見応えのする棚づくりを!なのですが、これが難しい。今年初めてトライしたブックカフェでの棚借りとも違います。ターゲットとポジションを明確にし、独自性をどう出すか。やはり自然に力が入ります。

東京・西荻盛林堂書房さんで行う「古本ナイアガラ」は12/10(土)からスタートします。どうぞお楽しみに。

※チエちゃんのこと

紅一点は私の助手をしているチエちゃんこと石山千恵さん。チエちゃんは、大学在学中から私と重盛翁が経営していた出版社・蘭亭社の編集者をしていた。第一回古本小説大賞を受賞して、いまは石田千の筆名で、小説や随筆を書いている。嵐山光三郎『古本買い十八番勝負』集英社新書 p7


古本買い 十八番勝負 (集英社新書)