黒岩比佐子さんの遺稿

黒岩比佐子さんのブログ「古書の森日記 by Hisako」をアンテナ@四谷書房で巡回していると、今年5月、西日本新聞に掲載された「歴史と人間を描く」(全10回)という随筆について書いてありました。

黒岩さんは昨年11月に亡くなっていますが、この随筆の西日本新聞への掲載は今年5月からでした。こうした随筆があるとは全く知りませんでした。その遺稿が読めるということは、黒岩さんの読者の一人として喜ばしい限りです。

ブログの記事によりますと、病室でも執筆を続け、未完の11回目の原稿には、空白の後に結びの一文が記されていたといいます。その一文は「そして悟った“平凡な人生”などないのだ、と。」というものでした。

これからという時の、突然の死去でした。黒岩さん自身、本当に無念だろうと思います。まだまだ書きたいテーマはあると語っていました。これが運命ならば、なんと無情なのでしょう。

とはいえ、だからといって、どうすることもできません。死の前ではただ沈黙せざるを得ません。しかし、黒岩さんのブログに掲載される遺稿を読むことができる。それだけでもいいことでないでしょうか。

10/18から黒岩さんの遺稿を1本ずつ掲載していく予定だと言います。黒岩さんからの思いがけない贈り物に感謝したいと思います。

1. 肩書き(2011年5月9日)
2. 歴史(2011年5月10日)
3. 時間(2011年5月11日)
4. 評伝(2011年5月12日)
5. 事実(2011年5月13日)
6. 定説(2011年5月16日)
7. デビュー作(2011年5月17日)
8. 井上孝治(2011年5月18日)
9. コミュニケーション(2011年5月19日)
10. 心残り(2011年5月20日

弦と響      文字の導火線      黒蜜
 
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