柴田信『ヨキミセサカエル』

柴田信*1『ヨキミセサカエル』(日本エディタースクール出版部)を読んで、次の箇所をメモしておきます。

 「人づくり」とは、時間から時間へとだだ与えられた仕事の量をこなす従来の業務形態から脱却し、個々の自主性を活かしながら、自らの仕事の質を高めることが可能である日常業務のシステムを完成させることです。一言で言えば書店における人づくりの目的は、書店人として自立させることであり、それは働く喜びをその主体性の中に持たせることなのです。その上に立って、理想とするプロの書店員とは、豊富な商品知識に支えられた計数感覚をみにつけるというふうに、明瞭な像を結んで、その仕事と同じようにうまずたゆまず地道におし進めるべき重要な施策なのです。p151-152

この「人づくり」は書店に限らず、古本屋にも、ほかに小売店にも言えることです。柴田信さんはこの本で人材育成が大事であると繰り返し語っています。確かにすべては人から始まり人で終わります。だからこそ、人が大事なのです。


*1:岩波ブックセンター信山社社長
1930年生まれ、中学の教員、芳林堂を経て、現在に至る。
「本の街神保町を元気にする会」事務局長。