追悼・原田芳雄さん

台風迷走。いままでにない台風の動きでした。天気予報ではなぜこうした台風の動きになるのかを説明していました。しかし、この動きを見ていると、いまの日本を象徴しているようにも感じました。

午後ようやく雨が上がりましたが、気温が上がらず、肌寒さを感じました。真夏日よりも、よく眠ることができ、良かったのですが、あまりにも寒暖の差がありすぎます。また、明日からいつもの夏に逆戻りです。

ここ数日の雨で、古本屋めぐりもできませんでした。が、管啓次郎さんの『本は読めないものだから、心配するな』の新装版を読みました。昨日から読み始め、その中からの引用を昨日のブログにも掲載しました。

夜はNHK BSプレミアムで、原田芳雄さんの追悼番組「火の魚」を見ました。何かしみじみ、何かせつなく、何か悲しい ・・・・・ いいドラマでした。老作家と編集者との辛い関係を通し、淡々とした日常を見せてくれました。

また、原田さんが亡くなった日に、原田さんの新作であり遺作となった「大鹿村騒動記」を見ました。

病気であるにもかかわらず、舞台挨拶にも出席して、その挨拶を石橋蓮司さんが代読しました。主演として、この映画の挨拶もしたかったでしょうが、それ以上に、自分の好きな映画が上映される映画館に来たかった!のだと思いました。

この映画は300年の伝統の大鹿村歌舞伎を演じるまでの村の日常を撮っています。原田さん、岸部さん、大楠さんの何とも言えない人間関係を中心に喜怒哀楽の物語が展開していきます。先のTVドラマ同様、いい映画です。

原田さんは年を追うごとに変わり、いまはいい老人であったり、父親であったりと、シブい役をやるようになってきました。このシブさがまたいい。

ずっと観てきたファンのひとりとして、叛骨から円熟までを見せてくれた原田さんに感謝します。合掌。

尚、NHK BSプレミアムでは8月7日(日)に原田芳雄さんの追悼番組として、映画「父と暮せば」を放送します。