理想の本棚の条件

昨日はクラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』を再び取り上げました。今日は理想の本棚とは何かについて記しておきます。これは日垣隆さんの『知的ストレッチ入門』(新潮文庫)に書かれていたものです。

1、労せず収納した姿が美しいこと。
2、本が取り出しやすいこと。
3、一般的な書棚より多くの本が納まること。
4、なおかつ、部屋の場所を余分にとらないこと。
5、書物だけでなく、大型パンフやA4系の模写資料も綺麗に収まること。
6、安っぽくなく、むしろ高級感があること。
7、耐震にすぐれていること。
8、だからと言って値段が高すぎないこと。2万円以下が望ましい。
9、その書棚に近づくと嬉しい。初めて見たとき感動できればなお良い。
10、欲しいと思ったらすぐに配達されること。  p76-77

理想の本棚の条件を挙げてみると、当たり前なことも多く、それほど特別な条件があるわけではありません。どちらかというと、常識的といってもいいでしょう。日垣さんは「書棚に求めているのは、あくまでも機能美」と言っています。

因みに、当方の本棚はスウェーデンのメーカーのもので、堅牢で安価です。わざわざ遠出して購入しました。商売道具ですから、いいものを購入するのに越したことはありません。今回の震災を考えますと、耐震には万全の対策を、ですね。

そこで、本棚に関しての本 ・・・ ヘンリー・ペトロスキー『本棚の歴史』(白水社)と小川道明『棚の思想』(影書房)・・・ を紹介しておきます。ともに本棚についてのもので、前者は本棚の歴史を、後者は本棚の棚づくりを中心に取り上げています。

ヘンリー・ペトロスキーはこの本だけではなく、『鉛筆と人間』(晶文社)、『ゼムクリップから技術の世界が見える――アイデアが形になるまで』(朝日新聞社)などの本を出版しています。

またこの本『棚の思想』は小川道明さんが書店の棚に注目し、棚づくりの考え方をまとめた本です。池袋西武のブックセンター、リブロ、リブロポートにて独自の「棚の思想」を実践してきました。*1 書斎の棚づくりにも参考になります。

本棚の歴史        
 
 
松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦        あやしい本棚


*1:松岡正剛さんは次のように言います。
「おもしろい書店というものは、さまざまな棚組みやフェアや組み替えに躍起になってとりくんでいるものなのだ。もしも、行きつけの書店にそういう雰囲気がないようなら、そういう書店には行かないほうがいい。」