本と棚と書斎をめぐる冒険

※これは4/6に書いた記事ですが、その日ファイルが行方不明 ? なぜか、今日見つかった ! ので掲載します。

本と棚と書斎をめぐる冒険」、たいへん気を引くタイトルですが、これはジュンク堂書店池袋本店が行っているフェア名です。これを3つのブックイベントにしても成り立ちます。

  1. 本をめぐる冒険
  2. 棚をめぐる冒険
  3. 書斎をめぐり冒険

しかし、フェア担当者はそう単純に区分せず、このタイトルに基づき、次の5つの視点で、棚をつくりました。

  1. あこがれの書斎、本棚の愉しみ
  2. 書の中の書
  3. 歴史は本を作った
  4. 本を読む人
  5. 本の未来へ

こうしたフェアは視点=切り口が大事であることは言うまでもありません。フェアが成功するか否かのキーポイントです。要は見せ方ですね。お客様を挑発し、触発し、啓発する、見せ方なのです。お客様が注目しなければ、意味がありません。

例えば、「文脈棚」という棚の作り方があります。これはそれ相当の事前調査と文脈の絞込み、さらにその本と本の関連を十分把握した上で作れる棚であって、そう簡単に作れるものではありません。( 本当に難しい!)*1

仮にジャンルやテーマが決まっても、次に本を選ばなければなりません。文脈に合わせて、どういう本を選び、本をどう結びつけ、新しい本の世界を創り出すのか。ここでも本の見方と選別と創造の力が問われます。

新刊書店は問題なく、趣旨に沿った本を集めることができますが、古本屋はそうはいきません。古本屋が新刊書店と同じことをするためには時間と費用がかかります。ですから、別の切り口を考えなければなりません。

どちらにしても、棚づくり/本の構成の良し悪しは、それを見るお客様に委ねられます。何もしないより、何かをする。そのための、暗中模索、試行錯誤、紆余曲折は通り道。ここを通らないと、次が見えません。

古本屋はハンデがありますが、新刊書店のフェア企画を大いに参考にしたい。それが良ければ、貪欲にその真似をしたいと思います。

風と雨と散る櫻・・・・・

櫻の樹の下には・・・・・


*1:例えば、<松丸本舗では、本が全てカテゴリーではなく「文脈」で配置されていることに驚く。それもただの文脈ではなく、人類の知の体系に基づいた、松岡正剛さんの脳みその中をそのまま形にしたような文脈で配置されているのだ>と言います。