管啓次郎さんの「昨日の言葉」

昨年から管啓次郎さんの「Mon pays natal 」をはてなのアンテナに登録し、日々その記事を読んでいます。今年に入り、といっても、3月から「昨日の言葉」というタイトルで記事を掲載しています。

毎回3つの言葉を紹介しています。これが面白い。さまざまな言葉の引用で、喜怒哀楽を思い起こすことができます。管さんがいいと思った言葉を掲載していますが、これが読む人を触発します。

例えば、「昨日の言葉9」から。

<文学の知識は、文学作品や文学についての書物を読むことで得られると思うのは、文学にかかわる人の幻想でもある。新聞を丹念に読むだけでも文学に通じることはできる。(荒川洋治) >

<新聞を丹念に読むだけでも文学に通じる>。なるほど、上手いことを言う。なるほどと納得します。また、荒川さんは文学は実学だとも言っています。それとも通じるように思います。

シュルレアリスムは建築を等閑に付し、音楽に対しては敵意を含んだ態度をとる。(ロジェ・カイヨワ、中原好文訳)>

今年はシュルレアリスムの展覧会もあり、岡本太郎の生誕100周年であったり、何かを話題の多い年です。シュルレアリスムは確かに文学と美術の分野では画期的な試みであったと思いますが、音楽や建築に対しては?

こうして言葉は常に人を刺激し、挑発し続けます。

Agend'Ars アジャンダルス

管啓次郎
『Agend'Ars アジャンダルス』
左右社