今週の本棚・この人この3冊
「今週の本棚・この人この3冊」は赤坂憲雄さんが選ぶ南方熊楠ということで、次の3冊を挙げています。
書 名 | 著 者 | 出版社 | 価格 |
森と建築の空間史− 南方熊楠と近代日本 |
千田智子著 | 東信堂 | 4,600円 |
南方熊楠の森 | 松居竜五・岩崎仁編 | 方丈堂出版 | 3,001円 |
高山寺蔵 南方熊楠書翰 土宜法龍宛 1893−1922 |
南方熊楠著、奥山直司・ 雲藤等・神田英昭編 |
藤原書店 | 9,240円 |
<民俗知の系譜学に跡をとどめる巨人たちのなかで、柳田国男はやはり、近代に殉じた民俗学者であったにちがいない。それにたいして、南方にはあきらかに、近代を超えてゆく思想の種子が豊かに抱え込まれてあった。南方はこれからの人なのである。わたしには折口信夫(おりくちしのぶ)もまた、これからの人だという予感があるが、その方位はまるで異なっている。折口信夫という思想の深度を測る仕事に、そろそろ取りかからねばならない。>
柳田国男さんを近代民俗学者と位置づけ、これからの民俗知の系譜は、方向は異なっていますが、南方熊楠さんと折口信夫さんへ続くといいます。赤坂憲雄さんは南方さんの思想の測量を終え、次に折口さんの「思想の深度を測る仕事」に取りかかるようです。