日曜日、3つの数字

新聞を読んでいて、気になる数字がありました。それも3つ。同じ記事の中に。その数字をメモしておきます。

出所は日経新聞2月20日朝刊8面の「内外時評」。その記事のタイトルは「若者を非婚に追いやるな」。筆者は論説委員の岩田三代さんです。

[1]<総務省労働力調査によれば、パートやアルバイト、派遣、契約社員などで働く人は、1985年には約655万人だったが、2009年には1721万人に達している。中でも20代の増加が顕著で、雇用者に占める非正規社員の割合は97年に20歳から24歳で17.4%だったが07年には32.3%に、25歳〜29歳は14.2%が27.2%になった。>

[2]<製造業を取り巻く環境も変わった。ヒット商品のサイクルを見ると70年代以前は5年を超える商品が6割近かったが、2000年代には1年に満たない商品が2割弱。半数が2年未満の寿命しかない。>

[3]<厚生労働省の調査では男性正社員の1時間当たり所定内給与を100とした場合、男性パートは54.8、女性パートは49.1(09年)だ。福利厚生などの格差も残る。>

まさに[1][3]は労働状況に関連する数字で見落とせませんが、それ以上に気になるのが[2]の数字です。ヒット商品のサイクルがなんと半数が2年未満。2年もたないのです。それだけ消費スピードがアップしました。

これは商品だけでなく、サービスについても言えるのではないでしょうか。そう、人という商品についても言えるかもしれません。例えば、お笑いタレントは流行(はやり)もありますが、2年? いや、1年も持たないのではないでしょうか。

私たちは物凄いすごいスピードで人、物、金、事(情報)を消費しています。この消費経済はとどまるところを知りません。

10億以上の人口を持つ国(中国、インド)が発展途上なのです。その国民が同様の消費サイクルになると、一国の経済のみならず、世界的にも生産・消費、需要と供給のバランスが崩れることになります。

この問題が一次産業、二次産業、三次産業と直列ではなく、並列で、混在して波及してくるのです。いままでのグローバル経済が新しい段階に入りつつあります。それに見合った発想、思考、行動ができるのでしょうか。

このどんよりとした停滞感は何?

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)