大寒と2月の新刊

今日は大寒で寒い。1月に入り、次第に寒くなってきました。日本海側は大雪。太平洋側は快晴。そのニュースが日々報じられています。特に、雪の降りかたは久々であったり、極地的であったり、予想外であたり。

東京はこれから一段と寒さが増してきます。1月〜2月にかけて、一番寒くなる時期。それが過ぎれば、徐々に暖かくなり、春の訪れ。早くそうなることを願っていますが、まだまだ寒い日が続きます。

この寒さ、外をふらふらするわけにも行かず、家に戻り、ブログめぐりをしました。HPも、ブログも、twitterも、日々更新され、日々新たな内容になっています。

昨日の「今日の引用」ではないですが、<誰か他者との関係において、また、関係を通して、自己というアイデンティティは現実化されるのである>。他の人との関係において、関係を通して、自己という自分自身であることができるのです。

ですから、日々人は人に対して何かを常に発信し続けます。そして受信した人はそれについてまた発信する。そうした発信→受信→発信→発信の繰り返し、連鎖が拡がっていきます。膨大な情報網が日本だけでなく世界中に張り巡らされることになります。

私はtwitterはやりませんが、ブログでやっています。ブログはHP(ホームページ)よりも簡単で、twitterよりも制約がなく、程よいメディアです。それでもブログを見ていると、twitterをやる人やブログにtwitterを取り込んでいる人が増えています。

たとえば、twitter的文章で面白いと思ったのは「空にパラフィン」の「twitter的日常」です。これを読んでいると、こうした発想や表現がtwitter的というのでしょうか。でもいいエッセイです。

最近でいうと、「わたしにはできなこと」が◎です。これを読んでいて、こういうことあったなと郷愁を感じるとともに、そうそうと内心微笑んでいたり、なんともいいのです。一読を。

「今日は大寒」というタイトル通り、天気の話を書こうと思いましたが、また横道に逸れてしまいました。

これは本のブログですから、本の話をひとつ。2月面白そうな本が出ます。いつもお世話になっている「悪漢と密偵」の中から、この一冊。

2月はあまり目立った本がなかったのですが、いきなり飛び込んできました。これはどこかで連載されていたものでしたか? ( そうであれば、教えていただきたい。)

内容は<詩人ドン・ザッキーとは何者か。詩壇を疾駆した大正末、古本屋で暮らした戦後昭和。詩人と古本屋の狭間を生きた強烈な生涯を追う>というものです。

さらに詳しくというと、「ゲイトマウス・カフェ通信」で四方田犬彦『先生とわたし』(新潮社)を取り上げています。その中で、詩人ドン・ザッキーについて、次のように紹介していました。

由良君美は、小さな頃からの本好きで、それが中学入学のあたりから、古本屋巡りという楽しみを見出し没入する。長じては、イギリス・ゴシックロマンの稀覯本の有数のコレクターとなる。そんななか、戦時中、都崎友雄と出会う。都崎友雄は、神田で高松堂という古書店を開き、戦後の古書業界の重鎮となった人物。その、もう一つの顔が、おかっぱ頭のダダイスト詩人として知られるドン・ザッキーその人であった。彼が1920年代に主宰していた『世界詩人』という詩誌は、後に由良君美少年を魅了することになる。尊敬する詩人が、古本屋のおやじとして目の前に現れたのだから、由良少年の驚きは想像してあまりある。そして、かっての華々しい芸術活動や、アナーキズム哲学、翻訳、造本の話など、学校外での刺激に満ちた「講義」を受けることになる。
都崎の影響がどれほど大きかったかは、敗戦直後の1946年に君美が、ホノル・アルシーホというドン・ザッキーばりのスペイン風筆名で、私家版の詩集を残していることからも推測できる、という。>

こういう内容であればあるほど、興味がわいてくるではありませんか。2月いち押しの一冊になるだろうと思います。

[追記]昨日のブログのタイトル「今日の天気」ですが、どうもしっくりしないので、「大寒と2月の新刊」に変更しました。

先生とわたし


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