再び、黒岩比佐子さんのこと

これは今日のブログではなく、新聞の記事からですが、黒岩比佐子さんのことを、日経新聞11/26の「春秋」で取り上げいました。

<さっそくお会いしてみると、不勉強な当方など彼女の博覧強記に舌を巻くほかなかった。こんな仕事がしたい、こういうテーマも取り上げたい、と語り口は静かだが情熱がひしひし伝わってきたのを覚えている。>

この箇所を読んで、日経新聞の記者とフリーライターのテーマへの取り組みの違いを直感します。物事に取り組む原点の自覚とでもいいましょうか。その違いを痛感しています。

フリーライターは自立した仕事をしなければやっていけないので、当然<静かだが情熱がひしひしと伝わって>くるのです。黒岩さんはそうした真摯な取り組みが常に心がけてきました。

そして、最後に「春秋」の記者の方がこう書きます。これは確かにそう思います。

<そのとき「なぜ、私が」と嘆くより「私もか」と受け止める心構えを ― 。>

日々、私はブログ記事を、今日のことを翌日の朝書くことがいつもです。11/27(土)の記事を11/28(日)の朝書いています。ですから、11/28の朝日新聞の朝刊を見て書いています。

そこには黒岩さんに関連する記事を2つ掲載されていました。ひとつは本の広告、もうひとつは『パンとペン』の書評です。

黒岩さんの本の広告は次の2社が掲載していました。

ひとつは角川学芸出版で、「追悼 黒岩比佐子さん」と題し、黒岩さんの3冊の本を紹介しています。


編集者 国木田独歩の時代 (角川選書)     明治のお嬢さま (角川選書)     音のない記憶  ろうあの写真家 井上孝治 (角川ソフィア文庫)


もう一社は講談社で、<各紙誌絶賛! 52歳、最後の傑作>と書いてありました。この本、黒岩さんのブログ「古書の森日記 by Hisako」の11/25の記事によりますと、3刷することになったそうです。


パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い


 

11/28(日))の書評欄で、北海道大学准教授 中島岳志さんが黒岩さんの『パンとペン』を取り上げ、<著者は、本書を残して今月17日に亡くなった。遺作となった本書は、著者の代表作として読み継がれるだろう。名著だ。>とまとめています。