出版業界のあれこれ

出版業界もいろいろなことが起きています。ニュースの中から、そうした話題をピックアップしました。

(1)<今年1月から行っている「全品無料配送キャンペーン」を、11月1日から完全サービス化。アマゾンモバイルでの購入にも適用される。アマゾンマーケットプレイス出品者が発送する商品、特別配送商品(大型商品など)などは対象外。>

これでネット販売にさらに拍車がかかります。ネットショップにとって、送料は重要な経費です。送料をどうしたら低く抑えることができるか。第二の費用として、十分検討しなければなりません。

当店でも送料が無料にならないかを考えましたが、価格に転嫁するか、お客様負担とするか、費用ですからいずれかしかありません。古本の価格を低く抑えて、送料はお客様負担としました。

これを無料とは言いませんが、ゆうメールの価格を下げるか、メール便の条件を緩くしてもらいたい。小さなお店はアマゾンのように無料化できないので、そう強く思います。

(2)<11月4日、村上龍氏が都内で記者会見を行い、5日付で電子書籍の制作・販売会社「G2010(ジーニーゼロイチゼロ)」を設立すると発表。初年度は、同氏のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』、よしもとばなな氏『Banakobanashi/ばなこばなし』、瀬戸内寂聴氏の作品など約20点を刊行、売り上げ1億円を目指す。>((1)(2)は「新文化」より)

IT業界、出版業界、印刷業界は、今年電子書籍元年を機に、急速に電子書籍にシフトしていく形勢です。これは技術の進歩に伴い、ハード面の環境が整いつつあることによります。しかし、動きが緩慢なのは事前準備の遅れのためです。そこで、各業界が性急に動き始めたというのが実情です。

新しい動きの中で、作家が敏感に反応しました。いままでは出版社がすべてマネジメントしてくれました。これからは作家も自身をマネジメントする時代になります。そのためのトライアルとして、村上龍さんの「G2010」があります。

今後、IT会社、出版社、印刷会社、そしてマスコミまで巻き込んで、電子書籍の動きがどう進展していくのか、またコンテンツのクリエーターである作家がどういう動きをするのか、注目です。

(3)<カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、運営するTSUTAYAにおいて、店舗で借りたBD/DVD/CDを郵便ポストに返却できる有料サービス「TSUTAYA郵便返却」を11月15日より開始する。対象店舗は、全国1,394店のうち1,355店。残りの店舗についても順次導入予定としている。 >

これも競争の結果か。同じサービスを先行して行った会社があります。競争原理はどこまでも冷酷ですが、お客様にとってはたいへん便利です。そのせいかどうか、CCCでもそれをやるようになります。お客様第一は小売の鉄則です。

これからのCCCもどうなるのかも気になるところです。今後のレンタルショップの動向はCCCの動向にかかっていると言えます。アメリカの大手レンタルショップも潰れ、業界自体の方向性が見えない状態です。新しい業態に転換することが急務です。

(4)<国立国会図書館は4日、同館が提供する雑誌文献のデータベース「雑誌記事索引」の収録記事件数が1,000万件を突破したと発表した。同データベースの検索は、同館の蔵書検索システム「NDL-OPAC」により行える。> ((3)(4)は「出版ニュース」より)

データベースを作り上げるためにはそれ相当の時間がかかります。まず初期のデータベースを入力。それ以降は追加・変更等をし、日々更新していくことになります。そうすることで、検索を活用できるようになるのです。

情報化社会になっていくのはいいことなのですが、情報化のいい面と悪い面を仕分けし、悪い面についてはきちんとした対策を講じることが大事になります。リスク管理という点からも重要であることは言うまでもありません。

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