間村俊一さんという装幀家

間村俊一さんという装幀家を知っていますか。今日読み終えた石原千秋『未来形の読書術』(ちくまプリマー新書)の「あとがき」で、著者が今一番気に入っている装幀家だと書いていました。

本来、この新書の装幀者はクラフト・エヴィング商會で、間村さんではありません。石原さんはクラフト・エヴィング商會の装幀も高く評価していますが、それ以上に間村さんなのでしょう。

間村さんがどういう装幀をしているかは「間村俊一」を入力し検索すると、数多くのサイトが表示され、その仕事を見ることができます。すると、意外にあれもこれもという装幀が多いのです。

例えば、石原さんの『テクストはまちがわない 小説と読者の仕事』(筑摩書房)の装幀も間村さんの仕事です。

未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)        テクストはまちがわない

石原千秋
左:『未来形の読書術』 (ちくまプリマー新書)
右:『テクストはまちがわない』(筑摩書房



しかし、そのことを「あとがき」に書くかどうか。この点賛否分かれるところです。しかし、自分が作品を書き、それを気に入っている人に装幀してもらい、いい読者に読まれる。これこそ、まさに作者冥利に尽きると言ってもいいでしょう。

この新書は石原さんが本について、読書について書いたものをまとめたものです。現在形の読書術が多い中で、とりわけ未来形の読書術について語っています。さて、私はこの新書の来るべき読者であったかどうか。