女性誌の読書特集

まず思うことですが、読書の秋を前に、雑誌で読書特集が組まれています。が、それがなんと女性誌男性誌は、総合雑誌はどうしたのでしょうか。

男性誌総合雑誌で本の特集を組んでも、それほど売れないのでしょうか。売れないから、雑誌の休刊・終刊になる。これはごく当たり前のことです。

では、男性誌より女性誌は売れるのかどうか。どうもそうとは思いませんが、次に2誌が読書特集を掲載しています。

CREA (クレア)  9月号」(文藝春秋)の「読書という冒険」と「FRaU (フラウ)9月号」(講談社)の「夢中になれる!本とマンガ」です。

この2誌を見比べ、個人的には「CREA」を選びます。ターゲットが幅広い、内容的も充実していることなどがあげられます。「FRaU」は20代の女性をターゲットしているので、特集のタイトル、内容はそれなりです。年齢格差を感じます。

CREA」の特集のなかで、「鎌倉文学散歩のすすめ」という頁があります。内容は次の通り。この編集方法がいいのです。

    • 文士たちの足跡をたどろう
    • 文士たちの愛したグルメ
    • 読書が似合うカフェ
    • オススメの本20冊
    • 鎌倉古書店めぐり
    • 鎌倉スーベニイル33

これだけを見ていても、鎌倉に誘われる気がします。文士の足跡をたどる場合も、ロング・ミドル・ショートと3つのコースを準備。グルメもカフェも、鎌倉という地域に密着し、その風情がいい。

オススメの本2冊も、鎌倉に行くなら読みたいというサブタイトルつきで、ブックディレクター幅允孝さんと書評家江南亜美子さんが各々10冊ずつ選書しています。

極めつけは何と言っても、「角田光代さんと行く鎌倉古書店めぐり」です。ここで紹介している古書店は4つ。公文堂書店(由比が浜)、藝林荘(雪ノ下)、四季書林(御成町)、木犀堂(雪ノ下)。

角田さんも書いていますが、東京の古書店と違う点は鎌倉の古書店のほうが「どこかキリッとしている」そうです。ここまでくると、気持は鎌倉へ。鎌倉文学散歩もいいのですが、まずは鎌倉古書店めぐりを。

秋、涼しくなったら、ぜひ鎌倉へ行ってみたいと思っています。ひとりの読者をそういう気持がさせたのですから、もうこの特集は当たりです。

それにしても、ふがいないのは男性誌、あるいは総合雑誌です。どうして読書の秋に向けて、読書特集を組まない? 採算だけの問題でしょうか。これからそうした特集の雑誌が出ることを期待しています ・・・・・ 。

古本道場 (ポプラ文庫)

角田光代岡崎武志
『古本道場』(ポプラ文庫)