8月の新刊文庫と新書の追加
11時過ぎ、体感温度35度を超えていました。昼のニュースでも記録的な8月であることを伝えています。今年の夏はいままでにない猛暑の夏として歴史の新たなページに記されることでしょう。
あまりの暑さ続きで、記憶力や集中力が欠けます。体力までもが低下し、どうにか一日をしのぐことができればと思っています。クーラーがないことを想像すると、空恐ろしくなります。それだけ暑い!のです。
ブログめぐりをしていると、各新聞社の8/29日曜版の書評を読むことができます。なかでも、毎日新聞の書評で気になる本を2冊見つけました。文庫1冊と新書1冊です。
前者のダダ宣言集は文庫になることがめずらしい。アンドレ・ブルトンのシュールレアリスム宣言は岩波文庫や中公文庫で読むことができますが、ダダ宣言の文庫は初めてではないでしょうか。
後者は池内さんが2006年から4年間北海道新聞に連載していたものを1冊にまとめたものです。森鴎外から村上春樹までの53名を取り上げています。
池内さんは本とは何かについて、次のように言います。
<すべての本は読み手との関係から成り立っている。文学もまた同様だ。だから一冊の本、一つの作品が、どれほどちがった評価を受けたとしても驚くにはあたらない。ある人にとっては人生の書であったものが、べつの人には、ただの風のように通り過ぎた。>p205
また、いい本とはこういうものだとも言います。
<いい本は、めだたない。ベストセラー物のように愛嬌をふりまいたり、時の権力にこっそりおもねったりしない。さりげなく語ってあって、はじめは退屈ですらある。なにげなくページをめくっていて、そのうち気がつくと読みふけっている。>p206
私はまず後者、池内紀『文学フシギ帖 日本の文学百年を読む』から読み始めました。