「サンヤツ」という広告

asahi.com BOOK のサイトと見ていると、なにやら見たこともない言葉がありました。「サンヤツ」という言葉をご承知でしょうか。これは小枠出版広告で、3段8割広告の通称だそうです。

例えば、2010年7月11日掲載 朝刊 東京本社版の「サンヤツ」の中で、気になったのが陳 祖恩『上海に生きた日本人』(大修館書店)。

新聞掲載のそのままの広告が表示されていますので、その書名をクリックすると、その内容がまた表示されます。

さらにクリックすると、今度はamazonの本のページにリンクするといった流れで見ることができます。そこで購入かどうかを決めることになります。

こうしたことは新聞紙上ではムリです。新聞広告を見て、書店に行き、手に取り、中身を確かめ、買うかどうかを決める。こうしたプロセスを経なければなりません。

ネットでの「サンヤツ」は、クリックを通して、本の内容が分かり、買いやすい。広告掲載の小出版社からすると、販売チャンスを増やし、今まで以上に買う可能性が高まります。

いろいろな広告があるものです。すでに広告は終焉を迎えたとも言われていますが、かといって、広告がなくなるわけではありません。

「サンヤツ」もアピール度の高いものを創っていかないと、メディア相互にいい関係ができても、相乗効果を生じるまでには至らないと思います。要は広告の質です。

質の向上には、もっと創造的破壊を! これは古くて新しい言葉です。

上海に生きた日本人―幕末から敗戦まで 近代上海的日本居留民(1868‐1945)