5月新刊のメモ追加

すでに5月の新刊の紹介をしましたが、今日また「悪漢と密偵」より、5月新刊で気になる本がありましたので、それをメモしておきます。

多田富雄さんが先日亡くなりました。まだまだこれからというときに。本当に「残夢整理」ができていたのでしょうか。死は突然に情け容赦なく訪れます。合掌。

斎藤さんの本も出版されます。斎藤さんの本はまとめて読みたいと思っています。いままでその時間が取れなかったのですが、今年はどうにかと思っています。

しかし、最後の藤田さんのセレクションですが、藤田さんの文章は決して読みやすいとは思いませんが、心に残る文章だと思っています。どういう内容構成になっているのでしょうか。大いに興味があります。

さらに追記を。

多田進さんが「白の余白」でこの3月に出版されている「榛地和装本」について取り上げていました。この本は1998年河出書房新社からの『榛地和装本』と2010年3月ウェッジからの『榛地和装本 終編』があります。多田さんもその装幀について絶賛しています。

榛地和装本 終篇

『榛地和装本 終篇』(ウェッジ)



ウェッジといえば、「qfwfqの水に流して Una pietra sopra」ですが、qfwfqさんがそこで次のように書いています。この「蜘蛛の糸」を大事にしたい! そう強く思いました。

<先月、谷沢永一の『遊星群』第三巻、「明治篇・大正篇補遺」が刊行された。かりに過去に出版された書物がデジタル化されるとしても、谷沢氏が身銭を切って蒐めたこうした「雑書」は、おそらくその網の目にかかることはないだろう。あらゆる書物をデジタル化できないとなれば、当然「排除と選別」が行われるからである。文化とは、こうした奇特な個人による、蜘蛛の糸のように細くとも一本筋の通った営為によって継承されてゆくものなのだ。蜘蛛の糸を切ってはならない。>

遊星群―時代を語る好書録 明治篇・大正篇補遺

『遊星群―時代を語る好書録 明治篇・大正篇補遺』
和泉書院



最後に、5月刊行でなく、6月刊行なのですが、一冊メモしておきます。それは黒岩比佐子さんの『古書の森逍遥』(工作舎)です。「古書の森日記 by Hisako」では「発行時期は6月上旬になる見込み」とのことです。ぜひ読みたい一冊です。