もっともっと「新書」を
今日は雨なので、気持が落ち、行動が鈍くなります。人間も自然の一部ですので、天候に影響されるのは同じなのです。それにしても、昨日の夏から今日は一気に冬、寒暖の差に対応するだけでも大変です。三寒四温というように、寒さと温かさが交互に訪れ、徐々に暖かくなっていくという状態ではありません。
雨の日はなんと言ってもぶらりブログめぐり。今日は「新書」について。「新書」はどうして古本としてあまり売れないのでしょう。いろいろな方と話をしても、古本市で「新書」は売れないというの定評になっています。出品をしても、動きのないのが「新書」です。
当店としても昨年、一昨年と過去「新書」体験をしているので、いま開催中のブック・ダイバーでの「ふるぽん秘境めぐり」に新書を出品するのを思案しましたが、優先順位を考えて取りやめました。
新書はあまりにも手軽で、気軽で、コンパクトでいいのですが、それがいいところでもあり、わるいところでもあります。また本としての射程が短いという点もあります。「新書」に未来はないのでしょうか。
いま手元に「新書」についての本が3冊あります。例えば、坪内さんの『新書百冊』にしても、自分と「新書」との関わりを中心に、いい「新書」の紹介をしています。こうした、当然新書版なのですが、本を読んでみると、「新書」も捨てたものないことがわかります。
中央公論新社が2008年度からスタートした「新書大賞」も、「新書」を対象として、その年の良書を選ぼうというものです。「新書」の活性化を図るという意味でもいい企画だと思います。各年の大賞受賞作品を並べますと、やはりいい本がトップになっています。
こう並べても単行本と文庫を何ら遜色がないと思いますが、どうでしょう。「新書」は売れない!? それは悪しき先入観でしょうか。これからはもっともっと「新書」について注目し紹介したいと思います。まずは坪内さんの『新書百冊』からお読み下さい。