もっともっと「新書」を

今日は雨なので、気持が落ち、行動が鈍くなります。人間も自然の一部ですので、天候に影響されるのは同じなのです。それにしても、昨日の夏から今日は一気に冬、寒暖の差に対応するだけでも大変です。三寒四温というように、寒さと温かさが交互に訪れ、徐々に暖かくなっていくという状態ではありません。

雨の日はなんと言ってもぶらりブログめぐり。今日は「新書」について。「新書」はどうして古本としてあまり売れないのでしょう。いろいろな方と話をしても、古本市で「新書」は売れないというの定評になっています。出品をしても、動きのないのが「新書」です。

当店としても昨年、一昨年と過去「新書」体験をしているので、いま開催中のブック・ダイバーでの「ふるぽん秘境めぐり」に新書を出品するのを思案しましたが、優先順位を考えて取りやめました。

新書はあまりにも手軽で、気軽で、コンパクトでいいのですが、それがいいところでもあり、わるいところでもあります。また本としての射程が短いという点もあります。「新書」に未来はないのでしょうか。

いま手元に「新書」についての本が3冊あります。例えば、坪内さんの『新書百冊』にしても、自分と「新書」との関わりを中心に、いい「新書」の紹介をしています。こうした、当然新書版なのですが、本を読んでみると、「新書」も捨てたものないことがわかります。


新書百冊 (新潮新書)     いまどきの新書―12のキーワードで読む137冊     新書七十五番勝負



中央公論新社が2008年度からスタートした「新書大賞」も、「新書」を対象として、その年の良書を選ぼうというものです。「新書」の活性化を図るという意味でもいい企画だと思います。各年の大賞受賞作品を並べますと、やはりいい本がトップになっています。

  年度  著者      書名   新書名
2010年  内田 樹 『日本辺境論』 新潮新書
2009年  堤 未果 『ルポ 貧困大国アメリカ』 岩波新書
2008年  福岡伸一 生物と無生物のあいだ 講談社現代新書

こう並べても単行本と文庫を何ら遜色がないと思いますが、どうでしょう。「新書」は売れない!? それは悪しき先入観でしょうか。これからはもっともっと「新書」について注目し紹介したいと思います。まずは坪内さんの『新書百冊』からお読み下さい。


ふるぽん秘境めぐり(最終日は18:30で終了)