池内紀式古書店の選び方

池内紀著『東京ひとり散歩』を読んでいて、「一日古書店めぐり 早稲田・本郷・神田」に、池内さんの古書店の選び方が書いてありました。これは本好きにとって参考になるので紹介します。

古書店巡りは足の散策、見ようによれば古本にひかれた小さな旅だ>と言い、店を順に廻るのはシロウトのやり方で、古書店を廻り切らないうちに疲れてしまう。そこで、いい店かどうかを判断することが必要になります。

池内さんはまず古書店の店先にあるゾッキ本の台に注目する。「百円均一」を銘打ってある台。そのなかにしぶい良書や店主にはゴミでも自分には関心のある本がある場合に、看板に目をやる。店名や看板の文字で店の年季を判断する。カラス戸ごしに棚の本をチラリとのぞく。

<習練をつんでくると、「ゾッキ本・看板・ガラス戸ごし」の手順が一、二分で終了する。> こうしたことを通して古書店の値踏みをするのだと言います。

これが池内式古書店の選び方です。

ゾッキ本への注目は習性としてやっていることだと思います。さらに看板を見、ガラス戸ごしに棚を見るまでは十分やっているとは言えません。看板と棚の読むにも年季が必要です。この点はまだまだです。

しかし、この三段階を経て、古書店を見極めれば、無駄なく古書店を巡りことができ、良書との出会いの機会も増えてきます。まずはゾッキ本=百円均一に注目!

東京ひとり散歩 (中公新書)       ひとり旅は楽し (中公新書)