埴谷雄高生誕100年

もうあと年末まで2週間を切りました。12月に入り時の過ぎるのが早い。もう今年も終わるのですが、まだ仕事も終わっていません。個人的にも年賀状の準備もこれからです。やることが多い中で、時ばかりが過ぎていきます。

12月は本のあちこち拾い読みをするのですが、一冊も読了していません。これはかなり深刻な状況です。果たして来週で今年の仕事も新年の準備も終わるのでしょうか。毎年今頃同じことをブログに書いています。

そうは言っても、ブログめぐりは欠かさず続けています。今日のブログの中から取り上げたのが「毎日jp」の「今週の本棚」の「埴谷雄高 生誕100年特集」です。

これは12月6日の毎日新聞の書評欄に掲載されたもので、沼野充義さんと鹿島茂さんが埴谷雄高について書いています。「毎日の本棚」で検索すると、この評を読むことができます。

沼野さんは同氏を取り上げ次のように書いています。

<振りかえってみると、私がほとんど無条件で畏怖と敬愛の念を捧(ささ)げたわが青春時代のヒーローは、埴谷雄高植草甚一の二人だった。かたや深遠で難解な言葉を紡ぎ続けた観念の世界の住人、かたやジャズや映画を愛し、軽やかなポップカルチャーの世界に生きた極め付きの趣味人。まるで接点がないようにも思えるが、ほぼ同い年のこの二人の間には、激しく揺れながら発展してきた日本近代の巨大な振幅のすべてが収まってしまうのではないだろうか。>

沼野さんにとって埴谷雄高植草甚一がヒーローだったのです。そして<日本の近代の巨大な振幅のすべてが収まってしまう>と問いかけています。植草さんを取り上げたのは予想外でしたが得心しました。

また、鹿島さんは<オタク小説としてよみがえる『死霊』>という見出しで、埴谷雄高の『死霊』の読み方と内容について書いています。いま読むには重すぎる気がしますが、どうでしょう。詳細は本文をお読み下さい。

死霊〈1〉 (講談社文芸文庫)