黒岩比佐子さんの「フリーライター論」

黒岩比佐子さんのブログ「古書の森日記 by Hisako」で、久しぶりに古本以外の話を読むことができました。題して「ちょっと脱線して 」。

黒岩さんはフリーのライターであるとともに、上記のブログでは古本よりも古書を数多く紹介しています。今回は黒岩さん自身の体験も交えながら、フリーライターについて語っていました。

これは読むとフリーライターの現状がいかに厳しいものであるかを知ることができます。またその収入についても詳しく書かれています。黒岩さんにしても、こうなのでしょうか。

そのなかで黒岩さんは次のように書いています。

<私は常々、ライターという仕事は職人だと思っている。コツコツと手仕事でものをつくり、自分が魂を注いで創ったものに誇りが持てれば、それが安かろうと高かろうと、金銭に結びつくかどうかは二の次なのだ。これしか払えない、と言われて安い料金で仕事を頼まれたからといって、手を抜いて粗雑な仕事はできない。>

これは黒岩さんのフリーライターとしての自覚と覚悟です。私はここに黒岩さんの「直立した意志」を感じます。

書くことの職人である<フリーのライターは、そうやって必死で生きている人ばかり。とりあえず、筆一本でこうして生きていられるだけでも、幸運なのだろう>と結んでいます。

これは通り一遍のフリーライター論ではなく、黒岩さん自身の「フリーライター論」です。ぜひ一読ください。

音のない記憶  ろうあの写真家 井上孝治 (角川ソフィア文庫)       明治のお嬢さま (角川選書)