小田光雄『古本探求』

前に買って読んでいない本、いわゆる積読本を読んでいます。こうした本が何と多いことか。小田光雄さんの『古本探求』もそういう本の1冊です。

「あとがき」にもあるように、日本古書通信社の『日本古書通信』に「古本屋散策」として連載されていました。改稿加筆と22編の書き下ろしを加え、本書が出来上がっています。

内容は古本や古本屋のことだけでなく、もっと広く出版社のこと、出版界のことが語られています。いろいろな出版社がさまざまな本を出していたことに今更ながら驚きます。

本にも歴史あり、人にも歴史あり、出版社にも歴史ありです。そうした歴史を語りながら、本へのこだわりと愛着について語っています。小田さんも本当の本好きだと思いました。

著者はすでに2000枚の原稿を書き溜めているそうです。それを順次刊行したい意向です。雑誌編は脱稿しているというので、また新刊として読むことができるでしょう。

それから、もうひとつ。著者の小田さんは論創社のホームページに「出版状況クロニクル」を掲載しています。これを読むと、今の日本の出版状況がよくわかります。

古本探究