内田樹さんの本

早いもので、もう2月です。1年の1/12が過ぎてしまいました。まだまだ寒いのですが、昨日の雨から一転して今日は快晴でした。まだ風が強く、肌寒さを感じます。

今日の朝日新聞の読書欄で、香山リカさんが内田樹『街場の教育論』(ミシマ社)について書いていました。その他にもう1冊『昭和のエートス』(バジリコ)を取り上げていました。

ここで香山さんは冒頭<内田樹は、不思議な人だ>と書いています。そした最後に<実はもっともあたりまえの人なのかもしれない>と結んでいます。そして教育論から次の例を挙げています。

<子供たちに最初に教えるべきはいかに助け合い、支援し合うかであるのに、他人を蹴落とす競争を強化ばかりしているから、学力は向上せずに下がり続けるのだ>

<教師は教え込まずに踊り続けよ。そして生徒を葛藤させよ、学びとは教師や先達と出会って「離陸すること」だ>

こういう内容が書かれているといいます。すでにその一端は鈴木晶内田樹『大人は愉しい』(ちくま文庫)で語られています。例えば、教育とは師弟関係をみつけることだとも言っています。(この二人の往復書簡は愉しい交流でした)

また、内田さんの教育論といえば、ちくまプリマー新書『先生はえらい』でも語られています。これも一緒に読むと、さらに学ぶということについても知ることができます。

もうひとつ付け加えるとしたら、内田さんの書名によく使われる「街場」ということばですが、これも出所は江 弘毅『「街的」ということ』(講談社現代新書)の中で使われている「街場」でしょうか。(この本の解説を内田さんが書いています)

はじめの2冊読んでもいないのに注釈ばかりをつけてしまいました。香山さんの紹介の本だけではなく、その他にも文春文庫などで内田さんの本を読むことができます。まずは一読を。

街場の教育論      昭和のエートス


先生はえらい (ちくまプリマー新書)       大人は愉しい (ちくま文庫)