加藤郁乎『後方見聞録』と学研M文庫
あと1日で年始休暇も終わります。読もうと思っていた本の半分も読めず、またいつもの日常が始まります。この年末年始に読んだ本の中で、印象に残っている本を一冊紹介します。
加藤郁乎『後方見聞録』(小学館M文庫)です。この本は1960年代から1970年代にかけての加藤郁乎さんの交遊録です。ここで取り上げられている方々を列挙します。
稲垣足穂、土方巽、渋沢龍彦、池田満寿夫、白石かずこ、窪田般弥、西脇順三郎、松山俊太、森谷均、亀山巌、田村隆一、笠井叡、高柳重信、吉岡康弘、吉田一穂、飯島耕一、矢川澄子
こうした方々との若き日々の交流を記しています。人は人によって影響され、人は人によって錯誤し、人は人によって成長することをこの本は教えてくれます。
この中で、女性が二人、白石さんと矢川さんについて書いています。加藤さんの今に至る関係の中で、この二人の影響は計り知れないのではないでしょうか。
今回この本の文庫化にあたっては「点鬼簿追懐」「飯島耕一」「矢川澄子」を加え、<大幅な増補・書き下ろしを加えた新編集決定版>といいます。
上記の方々に関心のあれば、ぜひ一読を。
ところで、この学研M文庫は今回初めて購入し読んでみましたが、この他にも意外な文庫が眠っていました。
例えば、
などを見つけることができます。
こうした文庫が継続して出版されるかどうかはなんとも言えませんが、文庫の中にまだまだ鉱脈ありといったところでしょうか。ウェッジ文庫同様に、注目してもいい文庫かもしれません。