バシュラールの言葉

本日は開店休業でしたが、そういうわけにもいかず、内田繁著『住まいのインテリア』からガストン・バシュラールの言葉を記しておきます。

<もし家がなかったなら、人は散乱した存在となるだろう。
− 家は肉体と魂なのである。それは人間世界の最高の世界なのだ。>

いろいろな意味での「家」があります。バシュラールの言う「家」を持っているのかどうか。そしてそれが本当に最高の世界なのかどうか。

逆に、「散乱した存在」である人には「家」はないのか、ということにもなります。

そうした「家」のない人が増えているのか。「散乱した存在」が増えているのか。

建物だけの「家」が本当の「家」といえるのかどうか。肉体であり、魂である家はどこにあるのか。

この言葉はそう問いかけています。

夢想の詩学 (ちくま学芸文庫)