活字文化の危機

昨日は忙中閑なし、ブログを書くことができませんでした。今日はブログを一巡。「紀田順一郎さんIT書斎」 5/20「書窓漫録」の <「本に関する本」は今…>を読みました。「本の本」も退潮していると語り、次のようにまとめています。

<賑わいは夢のごとく、とはよくいったものである。日本人は読書好きというが、読書という行為を支えていた図書館や書店というインフラが、財政破綻や文化変容により、盤石でないことがはっきりした。出版社にしても、ある大手の売上高が、かつての全集もの一種類の売上にも及ばないという現状は、活字文化がいまや累卵の危うきに至ったことを示すものでなくて何であろうか>

図書館も書店も危うい状況であることは指摘の通りです。さて、どうする。危機を打破するための起死回生の策はまだありません。それでも小さな試みはあちこちで行われています。

図書館では千代田区立図書館、書店では長野県伊那市高遠町にある喫茶と古本の店「高遠 長藤文庫」など、新しい試みの動きもあります。こうした小さな動きですが、そういう動きがあるうちはまだ大丈夫だと思います。

楽観的かもしれませんが、そう思います。また紀田さんの言うように「活字文化がいまや累卵の危うきに至った」ということも、そうだろうと思います。私たちはこうした楽観と危うさの間で、いつものように読書をしてます。

[余談] この記事の中で蔵書数について、次のように書いてありました。

<立花(隆)に劣らない蔵書数を誇るのが谷沢栄一、井上ひさし山口昌男、あるいは先日物故した草森紳一などで、それぞれ10万冊以上という数字で驚かせた>

この5人の蔵書はすごい数です。10万冊以上というのですが、実際はどのくらいあるのか、想像を絶します。そのどのくらい読んだのでしょう。読み方もそれぞれ独自の方法があると思いますが、まずはその数に驚嘆します。