【読書メモ】森毅『年をとるのが愉しくなる本』(ベスト新書)

<二十代の役者さんあたりになると、これをやれば受けると芸を検索して取りだし、売っている。だが、年齢を重ねると、芸を選んでつっぱるのはくたびれる。もうろくしたら、もうなんでもええやで何も考えず芸を披露する。これがすごく味がある。肩の力が抜けていて、見るほうも気持ちがいい。鶴見俊輔の言葉を借りれば、「老いの豪奢」である。ふっきれていて華やかで。若いときはどうということのない芸だったのに、年をとって、老いの豪奢ですごみが出る役者さんがいる>p219