朝の新聞から

昨日「秋も一箱古本市」を終えて、今朝は少し遅い起床。新聞を取りに行き、まずは読書欄を読みました。いつもの日曜日の行動。窓を開けると、少し肌寒く、秋の気配が深まっているのを感じます。

そういえば、昨日一箱古本市で、追分コロニーさんが長野(追分コロニーは信濃追分に所在)はもう冬支度とおっしゃっていました。10月半ば、浅間山も冠雪し、山裾の紅葉は徐々に色あせ、冬の到来も間近なのでしょう。

朝日新聞より

岩波書店から岩波写真文庫の復刻版が刊行されます。「岩波写真文庫は50年代の画像の宝庫」であるというコピー。その写真を赤瀬川原平さんがセレクトし、ワンテーマで200名前後の写真を掲載しているそうです。これは見てみたい文庫です。

同時に、赤瀬川原平さんが岩波写真文庫再発見と称して、『戦後腹ペコ時代のシャッター音』(岩波書店)を出版するといいます。

書評では今回も鴻巣友季子さんの書評がいい。関心と重なるからかもしれませんが、これを読むと、鴻巣さんの書評を読むと、その本が読みたくなります。鴻巣さんのそれはいつも必ず自分と読者と本をつなぐ力があります。書評の力です。この書評、一読ください。

取り上げているのはこの1冊。


内容は「東大大学院の教授柴田元幸氏が他校から講師を招いて主宰した「多分野交流演習」をまとめたもので、各分野からの刺激的な話が展開しているそうです。結語は「感動した」のひと言。

日経新聞より

読書欄からは今回紹介する書評はないのですが、詩歌・教養欄では「究める」で高山宏さんが取り上げられ、小池昌代さんが「詩歌のこだま」を書いていました。ともに知に、言葉に強烈な関心のあるお二人ですから、いい書評がなくても、こうした方々の言葉や文章が読めれば充分なのです。

例えば、高山さんは「異質なものをつなぐ技術こそ、新しい人文学の眼目と説く。「学問でも詩人のようなこともできる。もはや芸術だ」といい、その詩人の小池さんは川田絢音さんの『それは 消える字』(ミッドナイト・プレス)を取り上げ、「その詩はいつも、何かと激しく出会うことを夢見ている」といいます。

人も何かと出会うことを求めています。いい言葉、いい文章に出会い、それに刺激され、新しい何かが生まれる。そんな体験ができれば、いいと思っています。日曜日の朝は刺激と愉しみに溢れています。