午後はOn SundaysからNaDiffへ

あまりに天気がよく、午後はOn Sundays*1からからNaDiffへ行ってきました。ちょうど3/9(金)〜5/31(木)NaDiff10周年記念Weeksで、カード会員の方へ、輸入商品の通常割引+5%OFFだそうです。

そこで本や写真集を見ていると、目に留まったのが中平卓馬さんの『見続ける涯に火が・・・ 批評集成1965-1977』(オリシス)でした。

写真家でもあり、批評家でもあった中平さんは1977年9月酔いつぶれ昏睡状態に陥り、その記憶のほとんどを喪失しました。しかし、中平さんはそれ以降も写真家として撮影を続け、写真を通して、人間と社会と世界との関係を模索しています。

中平さんは『現代の眼』の編集者から写真家に転進、1968年に森山大道高梨豊多木浩二岡田隆彦らとともに、写真同人誌『プロヴォ−ク』を立ち上げ、写真家と同時に批評家としても高く評価されました。(どちらかというと、批評家としての中平卓馬さんの印象が強い。)

その中平さんの1965年〜1977年の批評を集めたのがこの本です。ちょうど記憶を失うまでの批評活動のクロニクルです。過激に、独自の道を歩いてきた中平さんの批評家としての側面をとらえるために、この本は必読でしょう。

中平さんの本や写真集を調べるため、Amazonでチェックすると、驚きでした。どの本も写真集も高い! 例えば、初期の批評集の『なぜ、植物図鑑か―中平卓馬映像論集』(晶文社)が17,000円、『新たなる凝視―中平卓馬写真集』になると、なんと182,800円!

そんなに本が写真集がないのでしょうか。それだけ流通する冊数が少ないので、こうした高値がつくのでしょうが、あまりにもべらぼうな値段です。しかし、これが古本の値段です。

かつて『プロヴォーク』に関わった人たちも含めて、中平さんの本を読んでみたいと思っています。手が届かないものは仕方がないので、図書館を利用することになりますが。

見続ける涯に火が・・・ 批評集成1965-1977     原点復帰-横浜

*1:On Sundaysオンラインショップワタリウム美術館のサイトに掲載されています。