高島俊男『本と中国と日本人と』

ようやく鞄の中に入れていた、高島俊男さんの『本と中国と日本人と』(ちくま文庫)*1を読了しました。随分長く鞄に入れていたように思います。高島さんはご承知の通り、中国文学の専門家で、いまはエッセイストとして活躍しています。

週刊文春」に掲載されていた『お言葉ですが・・・』の愛読者も多いはずです。この本は第11巻まで発行され、文庫は7まで出ています。(この文庫を全部揃えようとしているのですが、これがなかなか。)

標題の文庫は、著者が『東方』に掲載された120編のうちから、文庫の収めるために67編を収録した「独断と偏見により読書ガイド」です。中国や中国文学に関心ある人なら、必読の一冊。そうでなくても読書ガイドとしても読める内容になっています。

それにして、「東方書店の上得意」になるくらいに本と購入しないと、これだけの本の知識を得られないのかもしれません。こうした本をどう保管しているのか、知りたいところです。

・・・ わたしは東方書店から中国の本をよく買う。時々車に本を積んで売りにくる大阪支店の若い営業部員とはすっかりおなじみである。個人客としての購書額はわたしが西日本で一番なのだそうだ。つまり東方書店の上得意なのである。

本と中国と日本人と     水滸伝の世界    三国志 きらめく群像

*1:その他のちくま文庫でも次の2冊を出版しています。『水滸伝の世界』『三国志きらめく群像』また文春新書では『漢字と日本人』と『座右の名文』があります