吉本隆明さんの本

ほぼ日刊イトイ新聞」を読みました。ご承知の通り、糸井重里さんの新聞です。今日の新聞に次のような記述がありました。吉本隆明さんの本の企画で、吉本さんを取材したことが書かれていました。

吉本隆明さんの本も、すべりだしました。
もともとの企画よりもおもしろくなりそうです。
いま対談連載中の森達也さんもいっしょに、
吉本さんの取材におじゃましてきたのですが、
約4時間、気持ちのいい興奮がありました。
キイワードは「反コミュニケーション」かも?

「気持ちのいい興奮」の4時間!さて吉本さんの本とはどういう本なのか。その内容が大いに気になります。キーワードが「反コミュニケーション」? これまた意味深長なことばです。

最近の吉本さんは『真贋』(講談社インターナショナル)を出版しました。これは「どうでもよさそうなことから考えみる」ことから始まり、そのことによって「少しは世の中の見方が変わっていく可能性があるかもしれない」ことを期待しています。

いま、世の中のを見ていると、すべてが逆な方向に進んでいるような気になることがある。あまりにも常識的な「問い」と「答え」にあふれ、実は本当に考えるべきことを考えず、考えなくてもいいことを考えているのではないか。滑稽ですらある。

その滑稽さを知りたい人はこの本を読んで下さい。吉本流のいまの世の中の分析を読むことができます。理路整然とした話は相変わらずなのですが、年々温厚篤実になってきたように思います。

このほか、吉本さんの言語論を知りたい人は『詩人・評論家・作家のための言語論』(メタローグ)をお読み下さい。内容はわかりやすく、一読して納得できる一冊です。

真贋