新書3冊

そういえば、岡崎武志さんが1月31日の日経新聞夕刊「消えた本あの時代」*1で「昭和30年前後の新書ブーム」*2について書いていました。いまなお、新書ブームが続いています。

新書は増えるのですが、書店は売上が伸びず、苦戦しています。在庫で勝負の大型店、個性的な専門店、ウェブ上のネット書店。書店もこの3つに大きく分かれます。ネット書店も大型店と考えると、二極化が進んでいるのは明らかです。

書店はどんどん売場面積を拡張し、質より量を優先しています。大きすぎず小さすぎず、できれば質量のバランスの中型店ぐらいが理想の書店です。しかし書店もビジネスですから、採算を考えると、そう甘いことは言っていられません。*3

大型書店の店に行けば数多くの本が一覧できるのですが、それも見始めると、途中で飽きるほどの量が棚に並んでいます。「これどうですか」でなく「お選び下さい」の時代、適度な量があればいいのですが、この適度が難しい。量の多さは時に人を疲れさせます。

そんなことを考えながら、手元の新書を紹介します。この週末をこの3冊を読もうと思っています。

「アンアン」1970     ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか

*1:これは毎月最終火曜日に掲載。イラストは内澤旬子さんです。

*2:岡崎さんはこのコラムで「各社がこぞって新書に参画し、三十一年時点で九十三種を数えたという。」と書いています。本文は朝日文化手帖の中身の『みつまめ随筆』の粋な話を書いています。詳しくは本紙をお読み下さい。

*3:そうした事情は例えば京都の三月書房の「三月記(仮題)」に詳しい。