池内恵さんの『書物の運命』

池内恵さんの『書物の運命』(文藝春秋)が毎日書評賞を受賞したそうです。この池内さんは国際日本文化研究センター助教授。これはその受賞に際してのコメントです。

一冊一冊の本をただ読み解くだけでなく、過去や現在に存在するあらゆる本とのつながりや実社会の動きと連動する書物の世界とを横断する一貫した"スジ"を発見していくことが私の書評。最新刊が社会に表れた意味をいち早く位置づけ、社会時評や批評としてこの時代の相を浮かび上がらせられるようにと試みました。

これも書評のひとつのスタイルでしょうか。こうしたスタイルもいいのですが、この"スジ"の発見がむずかしい。実際にこの社会と書物のつながりとしての"スジ"を知るためには、深い眼力と広い知識が必要です。

どういう"スジ"かは池内さんの、この本を読むしかないでしょう。まだ私も読んでいませんので。

書物の運命