殿山泰司『JAMJAM日記』読了

先日の立石書店のオープニングイベントで購入してきた 殿山泰司さんの『JAMJAM日記』(ちくま文庫)を読み終えました。殿山さんの文章はなんとなく、とっつきづらいのですが、読み始めると止まらなくなります。はじめはちょっと慣れが必要かもしれません。

ご承知の通り、殿山さんは銀座生まれの役者、それも自称、三文役者です。映画、TVなどで活躍をしていました。と同時に、ジャズとミステリーを愛する読書人でした。数多くの本を残して、89年73歳で亡くなりました。

この『JAMJAM日記』も1975年〜1977年の殿山さんの断続的な日記です。映画のこと、演技のこと、人間関係のこと、三文役者の目線で書かれています。奔放で猥雑、これが面白い。引き続き、『三文役者あなあきい伝』Ⅰ・Ⅱを読みなるような、そんな本です。

役者の殿山さんととこの本の筆者としての殿山さんと重複するところもありますが、そうでないところもあります。が、こんなふうに、のらりくらりと生きていける殿山泰司さんという存在自体が不思議です。