山村修『が選んだ入門書』再読
ほんとに残暑がきびしい一日でした。いままではできるだけクーラーを使わずに済まそうとしましたが、今日は朝からクーラーをつけました。今の夏は冷夏という予想もあったように思いますが、それどころではありません。
今日は新着本を追加しました。在庫と新規購入の中から、30冊を選び、登録しました。ただし、画像は同時登録できませんでしたので、これから順次追加していく予定です。今回は8月12日の新着本も登録しましたので、併せてご覧下さい。
残暑きびしい中、山村修さんの『<狐>が選んだ入門書』(ちくま新書)を再読しました。
- 第一章 言葉の居ずまい
- 第二章 古典文芸の道しるべ
- 第三章 歴史への着地
- 第四章 思想史の組み立て
- 第五章 美術のインパルス
こう目次を並べてみても、言葉、文芸、歴史、思想史、美術と、これらの分野に強い関心があったのだということがわかります。
今回読み返して、第四章の思想史の組み立ての、4 本の「断片」を読み深める − 内田義彦『社会認識の歩み』(岩波新書)*1の一文 ・・・ 引用の引用ですが ・・・ が印象に残っています。
そういう勉強をいくらやっていても、音楽を聞く耳そのものは少しもよくならないですね。下手すると解説なしには音楽を聞けなくなる。(略) だれのなんという曲か知らんけれども、ここのところが私は好きだという形で聞くこと。それが手はじめであります。
同じようがことが社会科学の本を読む場合にも、ある程度あてはまるんじゃないか。
まず断片、断片を身につまされる形で知る、そこから始めるべきであります。 p170-171
そして、断片だけでは困るので、体系も知るべきですが、まずは「断片をこの目でとらえることが必要だ」といっています。
これは山村さんの方法でもあるような気がします。この入門書は各ジャンルへの入門書と同時に、狐への入門書でもあります。未読の方は一読を。
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