第56回東西老舗大古本市

今日は新宿京王百貨店の第56回東西老舗大古本市に立ち寄りました。給料日後の金曜日のせいか、賑わっていました。最近の古本市の中では、最大規模か、展示会場が広く、明るく、見やすかった、というのが印象です。*1

その会場の広さはどう回ろうか悩むほどでした。見落としのないように一列ごと行ったり来たり。陳列の上に書店名が表示されているので、気になった本があった場合は書店名をメモし、二回目に回りました。

展示会は一回見るのではなく、最低二回は見るべきです。

何度も古本市や展示会に行っていると、お目当てのに出会えればいいのですが、一回見るだけでは必ず漏れが生じます。そこでもう一度ということになります。初回に見た時とまたちがって見えます。これが不思議です。ちょうど本の森に迷い込んだような・・・・・。

こうしたデパートの催事では、通常価格にプラスデパートの手数料が発生しますので、価格が高めになります。これは仕方がないことですが、そうした中にも掘り出し物があったりします。*2

こうした展示会の本の状態と価格については、私も値付けをする上で大いに参考になります。一巡してもやはり高い! だったら、自分のサイトの本と値段のほうがいいというものも多々ありました。逆にすごいと感心する古本屋さんや品揃えもありました。*3

古本の展示会に行って見るポイントが変わったのかもしれません。本を探すというよりも市場調査か?

最後に、ひとつ、本の話を。今回、なつかしい一冊を買いました。それは寺山修司評論集『遊撃とその誇り』(三一書房)です。帯には次のように記されていました。

鬼才 / 寺山修司の / 処女評論集!                 映画、オリンピック、ボクシング、プロ野球、短歌、詩、歌謡。    今は亡き / 鬼才寺山の / 才気溢れる / 言葉の弾丸!


本のなかの写真はあの中平卓馬さん*4 が撮影したもので、これもなかなかいい。*5 この一冊はその一冊でも、あの一冊でもなく、私にとっては唯一の一冊でした。

私にとって唯一の、そんな本を探したい。

▼四谷書房のサイトは http://yotsuya-shobo.com/ こちらから。

*1:昨日夜遅くこれを書きました。誤字脱字、訂正したい箇所があり、再校しました。

*2:品数の多さと価格の高さのなかから知られていない、これから注目される掘り出し物を探すのがこれまたいいのです。

*3:ブログ「ハーフノート日記」でもご承知の「ハーフノート・ブックス」さんは作家ごと本をまとめ、いい本を集めていました。

*4:伝説の写真家、中平卓馬

*5:寺山修司から中平卓馬へ(「本の水脈」山之口洋