本に挟んであるもの

快晴続く。本のデータ入力の作業も続く。
昨日の続き。本に挟んであるものについてです。いま手元に清水俊二さんの『映画字幕(スーパー)五十年』(早川書房)があります。この本、いつどこで買ったのか、いまでは覚えていません。
この本の中に挟んであったものがいくつかあります。それがこの購入者にとって何だったのかも不明です。
① 赤尾昭文堂のスリップ
このスリップは凝っていて、「阿蘭陀人読書圖」が印刷されていました。その書店の所在地は京都市中央区河原町通り六角下ルで、価格1000円。ここで買った覚えもないので、そのまま東京の古本屋に流れてきたものを購入したのか。
奈良県立美術館で開催の「大英博物館所蔵 浮世絵名作展」の半券
この券には「喜多川歌麿 高島おひさ」の浮世絵が印刷され、開催期間が4月20日(土)〜5月12日(月)と記されていました。年度がわからないのですが、おそらく持ち主はGWの時期に京都と奈良を見て廻ったのではないか。
③ 新聞の書評の切り抜き
いまより小さな活字(いまのように大きな活字になったのはいつごろでしたか)、きちんと切り抜いています。書評者が明記されていませんが、一ヶ所赤鉛筆でのマークマークがありました。

日本で最初に字幕をつけた映画があらわれたのは、一年後の一九三一年二月十一日で、映画は『モロッコ』である。

この文章の『モロッコ』の箇所。購入者はたぶん後日この映画をみたのでしょう。これはそのための傍線か。
岩波書店の栞
岩波書店のしおりは岩波文庫別冊『ギリシャ・ローマ古典文学案内』高津春繁・斎藤忍随著で、裏には『広辞苑』[第三版]の広告が掲載されています。栞ひもがないので、この栞を使用したのでしょう。
これだけのものがそのまま挟まれているのも珍しいのですが、こうしたものを見つけると、そのまま取っておきます。本はいろいろなものを通して、私たちにさまざまなことを語りかけています。